プロポリスとはミツバチが敵や細菌等から巣を守るために、摂取して集めた植物とミツバチの体内成分を合成して製造された、強い殺菌力がある粘着性の物質です。
ミツバチの巣の中は高温多湿で細菌が繁殖しやすい環境であるため、ミツバチは巣の壁面等にプロポリスを塗り付けたりして巣を無菌状態に保ち、自分たちのコミュニティを維持、繁栄、存続させて来たのです。
プロポリスには桂皮酸誘導体やフラボノイド、ビタミン、ミネラル等の成分が含まれていて、人間が健やかな体を保つために役立つ物質であることも古くから認識され、古代ギリシャ時代から貴重な物として活用されて来たことが書物に記録されています。
医学的知識が現代より未発達であった時代に於いても、先人の知恵として周知されていたことがうかがえます。

産地で異なる、プロポリスの品質と風味

プロポリスはミツバチが集める自然の素材が原料となるため、ミツバチの行動範囲に存在する植物の種類により品質や風味が異なります。またミツバチの種類も地域により異なり、必然的にプロポリスの風味や成分にも影響して地域差が認められるのです。

ブラジル産プロポリスは特に上質で人気が高いことで知られていますが、それはどのような理由からなのでしょうか?
ここではブラジル産のプロポリスについて詳しく見て行きましょう。

ブラジル産プロポリスの含有成分

 含有量により地域差があるもののプロポリスには人間の健康に好影響を与える多くの成分が含まれています。
 特にブラジルのミナス・ジェライス州の中でも限定地域にのみ自生する通称アレクリン(学名バッカリス・ドラクンクリフォリア)という植物の樹液に含有されている成分が注目されています。

ブラジル産の主な成分

桂皮酸誘導体(アルテピリン、ρ-クマル酸)やフラボノイド等、殺菌抗酸化作用成分

 プロポリスの中でも特に注目されているのはアルテピリンC、ρ-クマル酸等の桂皮酸誘導体と呼ばれる物質です。
 アレクリンの樹液が固まった樹脂に含まれているアルテピリン、ρ-クマル酸には強力な殺菌力があり古代ギリシャ時代から傷に塗る等して利用されていました。

他にはポリフェノールの1種であるフラボノイドには抗酸化作用があり、体内の酸化を抑制する働きがあります。そもそも身体の酸化は紫外線や加齢、喫煙や過剰なアルコール、食品添加物等による身体的ストレスと心的ストレスにより、免疫力も低下して活性酸素が増殖し進行します。
同様にポリフェノール関連のクロロゲン酸、4-カフェオイルキナ酸や、ルペノイド等が主として含まれ、抗酸化作用、殺菌力等の作用が見られます。

神経細胞保護の働き、4-カフェオイルキナ酸等

 南アメリカ原産の樹木キナから発見されたキナ酸の一種で、現代では双子葉植物の種子や葉に含有が認識されていることが分かっています。
かすかな酸味が特徴で、他にはコーヒー豆やクランベリーの実、グレープフルーツ等にも含まれています。
 ブラジル産のプロポリスに含有のカフェオイルキナ酸は、神経細胞を保護する働きがあるとの研究が進んでいます。
物忘れ、記憶力の低下、アルツハイマーや尿路の殺菌作用により膀胱炎等に好影響を与えることが解明されて来ています。

栄養成分

 栄養面ではミネラル類のマグネシウム、カルシウム、マンガン、鉄、亜鉛、銅等。また体を整えるビタミン類ではビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンE、葉酸、ナイアシン等、栄養が豊富に含まれているので人気の健康食品となっています。
 
特に鉄分は生命維持に重要な役割を担う成分で、貧血を防ぎ、血液を正常に維持することで体内の各所への酸素運搬、精神や神経系を正常にする働きがあります。
  

グリーンプロポリスを代表とする、ブラジル産プロポリスの特性

 ブラジル産のプロポリスと言えば高品質のグリーンプロポリスが広く知られており、ブラジル産グリーンプロポリスが優れている理由としては下記の要因が考えられます。

①他の産地より多く含有、桂皮酸誘導体

 桂皮酸誘導体とは樹木が傷ついた際、傷口からウィルスや雑菌等の侵入を防ぐため、自ら発する強力な殺菌成分を含む樹脂のこと。この桂皮酸誘導体こそがプロポリスの品質に大きく関わりがあるのです。その他にフラボノイド等の成分も他の地域のプロポリスと比較すると圧倒的に多く含有しています。

②ブラジルに多く生息するミツバチの種類、アフリカ蜂化ミツバチ

 グリーンプロポリスを製造する主なミツバチはアフリカ蜂化ミツバチ(アフリカナイズドミツバチ)で、別名キラービーと呼ばれるほど非常に攻撃性の強い性格として知られています。
1950年代にアフリカに生息していたこのミツバチは蜜の採集力や繁殖力が優れていたため種の改良用にブラジルに持ち込んだ所、逃げ出研究室から逃げ出して、アフリカミツバチとセイヨウミツバチが自然交配して発生し、野生化したミツバチの1種なのです。
人間を襲うことも多々あり、長時間攻撃することもあるほどしつこく、更に広範囲に渡って追いかけてくることも多いのです。
従って、そのような強力なミツバチが更に強力な敵から巣を守ろうとするので、他の地域より遥かに強化されたプロポリスが製造されていて、今ではブラジル産のプロポリスには欠かせない存在となっています。

グリーンプロポリスの発見

ブラジル産のプロポリスの代表的な存在で、上質と言われているグリーンプロポリスは、ブラジルに移民した日本人寺尾貞亮さんがより品質の良いプロポリスをあちこち移動しながら探し求めた結果、1988年にブラジルの南ジェライス州フォルミーガ地方の高原地域で発見したプロポリスの1種です。
これがグリーンプロポリスのはじまりで、その後彼の努力によって現在のように多くの人がグリーンプロポリスを口にすることが可能になったのです。
それでも現在に於いてもプロポリスの採集は手作業が中心のため、グリーンプロポリスは希少価値の高い健康食品となっています。

 ここまでブラジル産のプロポリスの特徴について見て来ました。
 ブラジルの限定地域に自生するアレクリンをはじめとする特殊な植物のチカラと、アフリカ蜂化ミツバチのチカラが相互に効果を生み出した賜物と言えるでしょう。
 正にブラジルの風土があってこそのブラジル産プロポリスなのです。